小児期に経口より感染した水痘帯状疱疹ウイルスは水疱瘡として発症した後に神経節に潜伏する。

水痘帯状疱疹ウイルスは宿主の免疫力が低下するとウイルス自身が生き延びようと宿主から末梢神経に沿って移動し皮膚から外界に逃げる過程で,神経と皮膚を帯状に障害させる。一部のウイルスは中枢神経に迷い込み,脳炎や脊髄炎を発症させる。


免疫力が低下していない場合,水痘帯状疱疹ウイルスは神経節に潜伏しヒトとの共存を目指し,存在を消している。


免疫力が低下してくると水痘帯状疱疹ウイルスは生き延びようと,末梢神経に沿って移動し皮膚から外界に逃げる。帯状疱疹初期の痛みの原因は皮膚の炎症による侵害受容性疼痛である。同時に求心性線維のうちC線維が障害されるとジンジンした痛みが,Aδ線維が障害されるとビリビリした痛みが生じる。時に遠心性線維のC線維が障害されると発汗異常,浮腫(複合性局所疼痛症候群の一症状)やAα線維が障害されると運動神経障害が生じる。


神経障害の範囲が広ければ広いほど,神経の修復時間は長くなる。遠心性線維の交感神経節後のC線維が興奮し続けると血管が収縮し血流が悪くなり,求心性線維のC線維が興奮しているとイライラしてくる。


痛みに対する神経調節は上行性疼痛伝達系がアクセル,下行性疼痛抑制系がブレーキに例えられる。下行性疼痛抑制系が正常に働いている間に神経が修復され,痛み物質が排泄されれば痛みはなくなる。


神経障害の範囲が広いと神経の修復時間が長くなり,さらに下行性疼痛抑制系が働かないと痛みが長引くため,うつ状態になりやすい。さらに痛みを記憶に残してしまうと,末梢神経ブロックを行なっても神経が修復されても,脳内で痛みを生じてしまう。