痛みは器質的な原因の有無で,器質性疼痛と非器質性疼痛に分類できる。器質性疼痛は上行性疼痛伝導系のうち侵害受容器の介在の有無で,侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛に分類できる。非器質性疼痛には下行性疼痛抑制系の機能低下によるものや,従来,身体表現性障害などに分類されていた身体症状症や病気不安症(DSM5)などがある。痛みの原因は1つが独立して存在するのではなく,2つ以上が共在することがある。


侵害受容性疼痛の定義は「神経組織以外の生体組織に対する実質的ないし潜在的な傷害によって侵害受容器が興奮しておこる疼痛」である。

侵害受容性疼痛の定義 - 日本ペインクリニック学会


神経障害性疼痛の定義は「末梢神経から大脳に至るまでの侵害情報伝達経路上に生じた病変や疾患によって末梢神経末端の侵害受容器の興奮がなくても神経伝達経路上に発火・応答が発現する」である。

神経障害性疼痛の定義 - 日本ペインクリニック学会


下行性疼痛抑制系の機能が正常の場合,上行性疼痛伝導系の伝導路を制御している間に,侵害受容性疼痛では数日から数週間のうちに炎症が治まり,神経障害性疼痛では数ヵ月から数年かかり神経が再生する。


下行性疼痛抑制系の機能が低下している場合,上行性疼痛伝導系の伝導路を制御できないので,侵害受容性疼痛では消炎が遅延し,神経障害性疼痛では神経再生が遅延し,痛みが長引く。もし痛みを記憶してしまうと元の痛みの原因とは関係なく,脳内で痛みを作り出してしまう。